経営改善シリーズ⑤「売上高と売上入金額」&「売上原価と仕入支払額」

今回は、「売上高と売上入金額」と「売上原価と仕入支払額」について見ていきましょう。それぞれの差は、運転資本の増減によって生じています。

① 売上入金額(資金増加額)=売上高―(期末売掛金-期首売掛金)

売上高の計上時期は、商品の引渡し時点や役務提供が完了した時点ですが、それらの売上債権回収まで入金を待たなくてはなりません。

② 売上原価(費用)=期首棚卸高+仕入額(購入額)-期末棚卸高

利益計算上費用となる売上原価は、仕入額(購入額)と必ずしも同じではありません。前期からの売れ残り(期首棚卸高)や期末の売れ残り(期末棚卸高)が関係してくるからです。

③ 仕入支払額(資金減少額)=仕入高(購入額)-(期末買掛金-期首買掛金)

期末買掛金は、購入したものの期末時点でまだ支払いがされていないものなので、仕入支払額を算出するうえで 仕入高から マイナスします。

一方で、期首買掛金は当期の仕入ではないものの当期において支払いが行われているとしてプラスします。

④ 以上のことから売上総利益(粗利)ベースでの利益とキャッシュフローの違いが分かったと思います。

売上総利益=売上高-売上原価

キャッシュフロー(売上総利益ベース)=売上入金額-仕入支払額

キャッシュフロー(売上総利益ベース)=

         売上総利益-(売掛金増加+棚卸資産増加-買掛金増加)

キャッシュフロー(売上総利益ベース)=売上総利益-運転資本増加

次回は、運転資本について見ていきましょう。

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