経営改善シリーズ④利益と資金収支
前回は、「勘定合って銭足らず」について触れましたが、もう少し損益と資金収支の動きのずれについて見ていきましょう。
利益と資金収支➡利益は財産の出入りであり、資金収支はお金の出入りです。
利益と資金収支は、同じ動きをしません。タイミングが異なるのです。
☆資金収支は、現金や預金の受け入れから、お金の支払いである支出を差し引いた差額です。➡この動きが資金繰りです。
☆利益は、収益から費用を差し引いた差額です。
収益の発生により売上金や売掛債権を獲得します。
すなわち、収益によって財産が増えます。
一方費用によって財産が減少します。
例えば、売上原価の発生により商品や製品の取引先への引き渡しや、運送費などの諸経費の発生によるお金の払い出しや未払金などの財産を減少させる債務(マイナスの財産)が発生することにより、財産が減少します。
黒字になれば財産が増加し、赤字になれば財産が減少します。
言い換えれば、利益の分だけ財産が増えると考えられます。
財産は、お金として残る他、商品・製品などの在庫や設備として残ります。
利益以上に資産を取得すればお金が減少します。
資金繰りが苦しくなる一例をあげてみましょう。
売上が期末に集中して決算上黒字となりました。ところが、その売上債権回収時期が、何か月も先であり、その売上債権回収前に人件費や仕入債務の支払いをしなければならない場合は、資金繰りが苦しくなります。
・・・損益の動きと、資金繰りの動きのずれについてイメージできましたか。
次回は、「収益である売上高と収入である売上債権回収」と「売上原価と仕入債務の支払い」について見ていきたいと思います。
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