
経営改善シリーズ⑨棚卸資産の回転
こんにちは
日本橋、人形町、蛎殻町税理士の渡邊美弥子です。
久しぶりのブログとなります。よろしくお願いいたします_(._.)_
今回は、棚卸資産についてみていきます。
棚卸資産は、得意先などの需要にいつでも応えられるように、一定水準以上の量を保とうとするベクトルが働きます。このベクトルが強すぎると、必要以上の在庫が積みあがってしまいます。この必要以上に積みあがった在庫をバッファー在庫(余剰在庫)といいます。
この在庫が積みあがった棚は、札束が積みあがっているのと同じで、お金が眠っているという事になります。
かと言って棚卸資産をゼロにすることは、生産活動や販売活動を停止し、得意先からの注文を逃すことになります。
この適正在庫の落としどころをどこにするかがポイントになります。
棚卸資産の増加要因には、事業拡大、季節的要因、デッドストック、投機目的などがあります。
デッドストックは、劣化したもの、新製品投入・規格変更などによる陳腐化した製品・商品で簿価販売さえも困難となります。
投機目的で仕入れたものは、目先の値上がり益を期待して市場の安いときに仕入れたもので、アテが外れればクズ同然になりかねません。
増加する棚卸資産のデメリットを挙げると・・・・
①営業運転資金の不足が生じる
②在庫保管コストが増加する
③陳腐化、値下がり、汚損により、含み損が拡大する
棚卸資産は売上原価(コスト)と直接結びつくので、収益と資金繰りに影響を及ぼします。
在庫を圧縮(棚卸資産の回転期間を短縮)すると資金に余裕が生まれ、収益が高まりますが、回転期間を短縮しすぎて適正在庫を下回るほど圧縮してしまうと、モノ不足が生じて収益力が途端に悪化するので、適正在庫の見極めが重要です。
【棚卸資産の回転期間】
棚卸資産の回転期間には二つの意味があります。
★一つは月平均売上高の何ヵ月分の棚卸資産を在庫として抱えているかを表します。(手持ち期間)
手持期間(棚卸資産回転期間)(月)=棚卸資産/月平均売上高
★二つ目は、何ヵ月経過すれば棚卸資産が売上原価に変わるか(費消されるか)を表します。
棚卸資産回転期間=棚卸資産/月平均費消額
※棚卸資産回転期間が長期化している場合は、売れ行き不振、販売力を超えた過大仕入、生産工程の乱れなどを疑います。
ただし手持期間があまりにも短いと品切れを引き起こします。そうすると、生産活動が停止し、販売機会を逃してしまいます。
これらに十分注意を払い、適正な棚卸回転期間を見極めることが重要です。
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